Media Interview Hub 声とことばの稽古場 / 大阪・谷町
火–金 14:00–21:30 / 土 10:00–17:00(日・月休) 大阪メトロ谷町四丁目駅 4番出口から徒歩5分 06-6946-3178

2拍待つと、相手はもう一段深く答える

向かい合って座る二人の手元

記者を20年やって、一番使った技術がこれです。特別なことは何もしません。相手が答え終わったあと、2拍——およそ1秒半——黙る。それだけです。

なぜ出るのか

人は、自分の答えが短すぎたと感じると、勝手に足します。「……まあ、正直に言うと、あのときは判断が遅れました」というのは、たいてい2拍目のあとに出てきます。

逆に、こちらがすぐ次の質問をすると、相手は「答えは足りていた」と受け取ります。そこで話が閉じる。次の質問がどれだけ良くても、閉じたあとでは戻れません。

沈黙を怖がる側の問題

稽古で難しいのは、待つ技術ではなく、待つ度胸のほうです。1秒半は、黙っている側にはかなり長く感じます。気まずさを埋めようとして、言い換えたり、質問を重ねたりする。

ここで足された二つ目の質問が、最初の質問を台無しにします。「どう思われましたか。……あ、たとえば現場の反応とか」——後半で範囲を狭めてしまっている。

拍を数える

宿題は単純です。会話を録音して、聞き返しながら、相手の答えの終わりに何拍待てたかを数える。二週間、毎日一つ。

最初の週はほぼゼロです。二週目で1拍、三週目で2拍まで伸びます。伸びたあとに変わるのは、自分の話し方ではなく、相手の答えの長さです。そこで効いていると分かります。

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