早口は速度ではなく、間の欠落として聞こえる

「早口だと言われます」と来る人の録音を測ると、1分あたりの字数は普通なことがよくあります。350字前後。放送で読むときの標準が300から350なので、速くはありません。
それでも速く聞こえる。理由は、文と文のあいだが無いからです。
継ぎ目がゼロ
句点で止まらず、次の文の頭が前の文の終わりに乗っている。波形で見ると、山と山のあいだの谷がありません。聞き手は文の切れ目を自分で探すことになり、その労力が「速い」という印象になります。
だから、速度を落としても直りません。ゆっくり喋る早口、というものが実在します。
320字に固定する
稽古では逆に、速度のほうを機械で固定します。メトロノームを鳴らしたまま、1分320字で読む。速度を意識から外して、句点で息を継ぐことだけに集中してもらうためです。
三週間で、句点のところに0.6秒前後の谷ができます。字数は変えていないのに、聞いた人は「ゆっくりになった」と言います。
本番で戻る人
稽古場ではできるのに、本番で戻る人がいます。その場合は速さではなく、息のほうを疑います。緊張で吸う量が減ると、継ぎ目を作る余裕がなくなるからです。
順番としては、息を先に直します。間は、そのあとのほうが早く身につきます。